【0】動画で解説
【1】動名詞の熟語(慣用表現)
動名詞の熟語はたくさんあるので、次の4つに分けて解説していきますね。
・定番編
・前置詞to+doing
・前置詞+doing
・発展編
ひとつひとつ説明していきます。
・定番編
ざっと、次の通りです。
(1) it is no use doing : ~してもむだである
(2) it is no good doing : 〜してもむだである
(3) there is no doing:~できない
(4) cannot help doing:~せざるを得ない
(5) feel like doing:~したい気がする
(6) It goes without saying that 「~は言うまでもない」
(7) be on the point of doing:まさに~しようとしている
(8) be busy (in) doing:~するのに忙しい
(9) spend A (in) doing:A を~して過ごす
(10) have (or find) difficulty (in) doing:~するのに苦労する
(11) How (or What) about doing:~するのはどうですか
(12) never(cannot) ~ without doing : ~すると必ず
ひとつひとつ見ていきましょう。
⑴ it is no use doing : ~してもむだである
例 It’s no use talking about it.
それについて話してもむだです。
このuseは名詞で「役に立つこと」って意味です。また、itは仮主語で真主語はdoingの部分です。
なので、直訳すると「〜することは役に立つことがない」→「〜してもむだである」って意味になります。
また、この熟語は次のことわざが有名です。
例 It is no use crying over spilled milk.
「こぼれたミルクについて泣くことはむだです。(覆水盆に返らず)」
⑵ it is no good doing : 〜してもむだである
例 It’s no good running away.
「逃げてもむだである」
このgoodはuseと同様に「役に立つこと」って意味なので、直訳すると「〜することは役に立つことがない」→「〜してもむだである」って意味になります。
⑶ there is no doing:~できない
例 There is no telling what will happen in the future.
「未来に何が起こるかまったくわからない」
なぜ、notではなくnoなのか?実は元々は、There is no (way of)~ingだった。名詞のwayを修飾する形容詞のnoが最適。また、直訳すると「〜する方法は存在しない」→「〜できない」って意味になります。
⑷ cannot help doing:~せざるを得ない
例 I cannot help thinking so.
「そう考えざるを得ない」
helpは「助ける」って意味が有名ですが、目的語が人以外の場合は「避ける」って意味になります。 助けてもらって自分でやるのを避けるってイメージです。
なので、直訳すると「〜することを避けることができない」→「〜せざるを得ない」って意味になります。
また、cannot help doing=cannot (help) but+原形 です。
先の例文を書き換えると、次のようになります。
例 I cannot help but think so.
「そう考えざるを得ない」
ポイントは、cannot help doingはdoingで、cannot (help) but+原形 は原形ってところです。
覚え方は、helpは「避ける」って意味なので、avoidと同じ意味になります。なので、暗い動詞と言えるので、目的語に動名詞をとります。この暗い動詞は目的語に動名詞をとるという話は次の記事をご参照ください。
〈cannot help but+原形〉の方は、こじつけですが、butの前後は文法上、同類である必要があるので、helpが原形である以上、butの後ろも原形って覚えてください。
⑸ feel like doing:~したい気がする
例 I feel like playing soccer.
「サッカーをしたい気がする」
このlikeは前置詞で「〜のような」って意味です。
なので、直訳すると「〜のような気がする」→「〜したい気がする」って意味です。
⑹ It goes without saying that〜 : 「~は言うまでもない」
例 It goes without saying that you love your child.
「自分の子供を愛するのは言うまでもない」
このitは状況のitで、直訳すると「〜は言わなくても進んでいく」→「〜は言うまでもない」って意味です。
⑺ be on the point of doing:まさに~しようとしている
例 I was on the point of going out when the phone rang.
「電話が鳴った時まさに外出しようとしていた」
直訳すると「〜することの点の上にいる」→「まさに〜しようとしている」って意味です。
⑻ be busy (in) doing:~するのに忙しい
例 I am busy in doing my assignment.
「私は宿題をするのに忙しい」
inは「ワクの中」が核心なので、直訳すると「〜することのワクの中で忙しい」って意味です。
また、be busy with+名詞も同じ意味です。
例 I am busy with school.
「私は学校で忙しい」
⑼ spend A (in) doing:A を〜についやす
例 He spends a lot of time in reading books.
「彼は多くの時間を読書についやす」
Aには「時・金」がきて、inは頻繁に省略されます。
また、spend A on+名詞でも同じ意味になります。
⑽ have difficulty (in) doing:~するのに苦労する
例 I had difficulty in solving the problem.
「その問題を解くのに苦労した」
直訳すると「〜することの中で困難を持つ」→「〜するのに苦労する」って意味になります。
⑾ How (or What) about doing:~するのはどうですか
例 How about going to the restaurant?
「そのカフェテリアに行くのはどうですか?」
What about doing ? は、What (do you think )about doing ? が省略されたものです。なので、直訳すると「〜することについてどう思いますか?」→「〜するのはどうですか?」って意味になります。
How about doing ? は、How (do you feel) about doing ? が省略された表現で、直訳すると「〜することについてどう感じますか?」→「するのはどうですか?」って意味になります。
⑿ never(cannot) ~ without doing : ~すると必ず
例 I never see this picture without thinking of him.
「この写真を見ると必ず彼のことを思い出す」
直訳すると「…することなしに〜することはない」→「~すると必ず…する」です。
例文だと「彼のことを思い出すことなしにこの写真を見ることはない」→ 「この写真を見ると必ず彼のことを思い出す」です。
・前置詞to+doing
次は、前置詞to+doingです。
⑴ be used to doing:~することに慣れている
⑵ be accustomed to doing:~することに慣れている
⑶ look forward to doing:~するのを楽しみにして待つ
⑷ with a view to doing:~するために
⑸ object to doing:~することに反対する
⑹ be opposed to doing :~することに反対する
⑺ devote oneself (or A) to doing:~することに身を(A を)捧げる
⑻ What do you say to doing : 〜するのはどうですか
⑼ When it comes to doing : ~することになると
上記の通りです。
ポイントは「to不定詞」ではなくて「前置詞のto」なので、toの後ろは動詞「原形」ではなくて「動名詞(ing)」です。
ひとつひとつ見ていきましょう。
⑴ be used to doing:~することに慣れている
例 He is used to getting up early.
「彼は早く起きることに慣れている」
ちなみに、〈get used to doing〉は「〜することに慣れる」っていう動作を表します。
⑵ be accustomed to doing:~することに慣れている
例 He is accustomed to getting up early.
「彼は早く起きることに慣れている」
〈be used to doing〉と同意表現です。また、同様に、〈get accustomed to doing〉は「〜することに慣れる」っていう動作を表します。
⑶ look forward to doing:~するのを楽しみにして待つ
例 I am looking forward to talking with you.
「あなたと話せることを楽しみにしています」
forwardは「前へ」って意味なので、直訳すると「〜することに向けて前を見ている」→「〜することを楽しみにしている」って意味です。
⑷ with a view to doing:~するために
例 I studied with a view to becoming a doctor.
「医者になるために勉強した」
viewは「見方、見解」の他に、「目的」って意味があるので、直訳すると「〜する目的を持って」→「〜するために」って意味になります。
⑸ object to doing:~することに反対する
例 I object to starting the project.
「私はそのプロジェクトを始めるのに反対している」
⑹ be opposed to doing :~することに反対する
例 I am opposed to starting the project.
「私はそのプロジェクトを始めるのに反対している」
object to doing = be opposed to doing です。
なので、be objected to doingやopposed to doingなどはダメなので注意が必要です。
⑺ devote oneself (or A) to doing:~することに身を(A を)捧げる
例 I devote myself to studying English.
「私は英語を勉強することに身を捧げている」
⑻ What do you say to doing ? : 〜するのはどうですか
例 What do you say to going to the movies?
「映画に行くというのはいかがですか?」
直訳すると「あなたは〜することに対して何か言うことありますか?」→「〜するのはどうですか?」って意味です。
⑼ When it comes to doing : ~することになると
例 When it comes to playing soccer, he’s the best player.
「サッカーをすることになると、彼が1番の選手だ」
このitは状況のitで、直訳すると「状況が〜することにやってくると」→「〜することになると」って意味です。
・前置詞+doing
前置詞+doing は次の3つです。
⑴ on doing:~するとすぐに
⑵ in doing:~する際に
⑶ by doing: 〜することによって
ひとつひとつ確認していきましょう。
⑴ on doing:~するとすぐに
例 On coming home,he took a bath.
「彼は家に帰るとすぐに、風呂に入った」
onの核心は「接触」って意味なので、「家に帰る」と「風呂に入る」という2つの出来事が接触しているイメージです。
⑵ in doing:~する際に
例 Be careful in crossing the street.
「通りを渡る際には気をつけなさい」
inの核心は「ワクの中」なので、「〜することのワクの中では」→「〜する際に」って意味になります。
⑶ by doing:〜することによって
例 We won the game by practicing hard.
「私たちは一生懸命練習することで、その試合に勝った」
byの核心は「そば」で、そこから「手段」に派生しました。たとえば目的地の場所は遠くても手段のバスなどは「そば」にありますよね。
・発展編
ここからは、かなりの発展なので、ここまででキツイって人は、さらっと読み飛ばすくらいでOKです。
次の熟語は、あまり動名詞の文法として教わらないものです。
⑴ go doing:~しに行く
⑵ Do you mind doing:~していただけませんか
⑶ Do you mind my doing:~してもよろしいですか
⑷ burst out doing:突然~し始める
⑸ insist on doing:~すると主張する
⑹ go on doing:~し続ける
⑺ refrain from doing:~するのを差し控える
⑻ come near (to) doing:今にも~しそうになる
⑼ make a point of doing:~することにしている、~することを主張・強調する
⑽ keep on doing
~し続ける
⑾ end up doing: 結局~することになる
上記の通りです。
ひとつひとつ説明していきすね。
⑴ go doing:~しに行く
例 I went swimming in the pool.
「私はプールに泳ぎに行った」
ポイントは、〈go doing+前置詞+名詞〉の場合の前置詞は、doingに合わせることです。
上記の例文だと、wentではなくてswimmingに合わせるので、in を使います。もし、toを使ってしまうと、「プールまで泳いだ」ことになってしまいます。
Twitterで問題を出してみたら・・・
レベル3の問題(5段階)
We went swimming ( ) the river.
— 鬼塚英介@(英語講師) (@Englishpandaa) June 14, 2022
⑵ Do you mind doing:~していただけませんか
例 Do you mind opening the window?
「窓を開けていただけませんか?」
直訳は「あなたは〜することを嫌がりますか?」→「〜していただけませんか?」って意味になります。
⑶ Do you mind my doing:~してもよろしいですか
例 Do you mind my opening the window?
「窓を開けてもよろしいですか?」
直訳は「私が〜することを嫌がりますか?」→「〜してもよろしいですか?」って意味になります。
⑷ burst out doing:突然~し始める
例 He bursted out laughing.
「彼は突然、笑い始めた」
直訳は「爆発でもするように急にAが出現する」→「突然~し始める」って意味になりました。
⑸ insist on doing:~すると主張する
例 He insisted on paying money.
「彼はお金を支払うと主張した」
⑹ go on doing:~し続ける
例 He went on talking.
「彼は話し続けた」
go on to「続けて〜する」との違いについては、次の記事をご参照ください。
⑺ refrain from doing:~するのを差し控える
例 Please refrain from smoking.
「タバコを吸うことは差し控えてください」
fromは「左向きの矢印(←)」なので、doingから離れていくイメージです。
⑻ come near (to) doing:今にも~しそうになる
例 Your recklessness came near to causing a disaster.
「君の不注意で今にも災難になるところだった」
直訳は「〜することが近くにやってくる」→「今にも〜しそうになる」です。
⑼ make a point of doing:~することにしている
例 She makes a point of taking a walk before breakfast.
「彼女はいつも朝食前に散歩をすることにしている」
直訳は「〜することをポイントにしている」→「〜することにしている」です。
⑽ keep on doing:~し続ける
例 He kept on dancing.
「彼は踊り続けた」
⑾ end up doing: 結局~することになる
例 I ended up buying the car.
「結局は、その車を買うことになった」
【2】おわりに
以上、「動名詞の熟語(慣用表現)」について解説していきました。
動名詞は熟語が非常に多く、よく試験に出ます。なので、最後の発展を除いて、ほかの英熟語は、すべて大切です。
英熟語を覚えるコツは、「直訳」から考えることです。今回はなるべく、直訳を各英熟語にに示していきました。こういうストーリーを持つことで、丸暗記英語から脱却できます。
ここまでご精読頂きありがとうございます。普段から予備校・ブログで「丸暗記英語からの脱却」をコンセプトに指導・発信しています。新しい情報に関してはTwitterで確認ができますので、鬼塚英介(@Englishpandaa)をフォローして確認してみてください。
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