節を導く語が、それぞれ「名詞節」「形容詞節」「副詞節」のどの種類の節をとるかを覚えておくことは非常に重要です。
なぜなら、構文を取りやすくなるだけでなく、節の種類によって意味が大きく異なるからです。
例えば、if という語は「名詞節」と「副詞節」を導きますが、「形容詞節」を導くことはありません。そして、名詞節の場合は「〜かどうか」、副詞節の場合は「もし〜ならば」という意味になります。
これを毎回文脈で判断しようとすると、精度が下がる上に、余計な時間とエネルギーを奪われます。結局のところ、「速読」という特別なテクニックがあるわけではなく、こうした構文把握と精読を積み重ねることが、結果的に速読につながっていくのです。
Contents
【0】動画でサクッと解説
【1】if
ifは名詞節と副詞節をとるが、形容詞節はとりません。
名詞節:「〜かどうか」
I don’t know if he is coming.
(彼が来るかどうかわからない)
副詞節:「もし〜ならば」
If it rains, we’ll stay home.
(もし雨が降れば、私たちは家にいます)
形容詞節:なし
【2】whether
whetherは名詞節と副詞節をとるが、形容詞節はとりません。
名詞節:「〜かどうか」
I’m not sure whether he’ll agree.
(彼が同意するかどうか確かではない)
副詞節:「〜であろうとなかろうと」
Whether you like it or not, you must go.
(好きかどうかに関係なく、あなたは行かねばならない)
形容詞節:なし

【3】what
whatは名詞節のみをとり、形容詞節・副詞節はとりません。
名詞節:「何〜か/〜すること」
I know what she said.
(私は彼女が何を言ったか知っている)
※一つの種類の節しか取らないにもかかわらず、意味が複数ある語もあるため、ややこしく感じるかもしれません。ただ、実際の英文では「どちらの意味でも通じる」ことも多いです。今回の例文も、「何を言ったか」と「言ったこと」、どちらの訳でも問題なく意味が通りますよね。
形容詞節:なし
副詞節:なし
【4】who
whoは名詞節と形容詞節をとるが、副詞節はとりません。
名詞節:「誰〜か」
I don’t know who called me.
(誰が私に電話したのかわからない)
形容詞節:名詞にかかるだけ
He is the man who helped me.
(彼は私を助けてくれた男性です)
副詞節:なし
【5】which
whichは名詞節と形容詞節をとるが、副詞節はとりません。
名詞節:「どちら」
Can you tell me which is better?
(どちらが良いか教えてくれますか)
形容詞節:名詞にかかるだけ
This is the car which I bought.
(これが私が買った車です)
副詞節:なし
【6】when
whenは名詞節・形容詞節・副詞節のすべてをとります。
名詞節:「いつ〜か」
I don’t know when she will arrive.
(彼女がいつ到着するのかわからない)
形容詞節:名詞にかかるだけ
I remember the day when we met.
(私たちが出会った日のことを覚えている)
副詞節:「〜する時に」
Please call me when you arrive.
(到着したら電話してください)
【7】where
whereは名詞節・形容詞節・副詞節のすべてをとります。
名詞節:「どこで〜か」
Can you tell me where he lives?
(彼がどこに住んでいるか教えてくれますか?)
形容詞節:名詞にかかるだけ
This is the house where I grew up.
(ここが私が育った家です)
副詞節:「〜する場所で」
Go where it is quiet.
(静かな場所に行きなさい)
【8】why
whyは名詞節と形容詞節をとるが、副詞節はとりません。
名詞節:「なぜ〜か」
I wonder why she left.
(彼女がなぜ去ったのか不思議に思う)
形容詞節:名詞にかかるだけ
That is the reason why I came.
(それが私が来た理由です)
副詞節:なし
【9】how
howは名詞節のみをとり、形容詞節・副詞節はとりません。
名詞節:「どのように/どれほど」
She explained how it works.
(彼女はそれがどのように動くのか説明した)
形容詞節:なし
副詞節:なし
【10】whoever
whoeverは名詞節と副詞節をとるが、形容詞節はとりません。
名詞節:「〜する人は誰でも」
Give it to whoever needs it.
(それを必要とする人に渡してください)
副詞節:「たとえ誰が〜しても」
Whoever calls, don’t answer.
(誰が電話してきても、出ないでください)
形容詞節:なし
【11】whichever
whicheverは名詞節と副詞節をとるが、形容詞節はとりません。
名詞節:「どちらでも」
Choose whichever you like.
(好きな方をどちらでも選んでください)
副詞節:「たとえどちらを〜しても」
Whichever you choose, you’ll be happy.
(どちらを選んでも、あなたは満足するでしょう)
形容詞節:なし
【12】whatever
whateverは名詞節と副詞節をとるが、形容詞節はとりません。
名詞節:「〜するものは何でも」
Do whatever you want.
(やりたいことを何でもやってください)
副詞節:「たとえ何を〜しても」
Whatever you say, I won’t change my mind.
(あなたが何を言おうとも、私は考えを変えません)
形容詞節:なし
【13】whenever
wheneverは名詞節と副詞節をとるが、形容詞節はとりません。
名詞節:「〜する時はいつでも」
Come whenever you like.
(好きなときに来てください)
副詞節:「〜するたびに/たとえ〜しても」
Whenever I see her, I feel nervous.
(彼女に会うたびに緊張する)
形容詞節:なし
【14】wherever
whereverは名詞節と副詞節をとるが、形容詞節はとりません。
名詞節:「どこで〜しようとも」
Sit wherever you like.
(好きなところに座ってください)
副詞節:「たとえどこで〜しても/〜する場所はどこでも」
Wherever he goes, people follow him.
(彼がどこへ行っても、人々は彼についていく)
形容詞節:なし
【15】however
howeverは副詞節のみ取ります。
副詞節:「たとえどんなに〜しても」
However hard I tried, I couldn’t fix it.
(どんなに頑張っても、それを直せなかった)
形容詞節:なし
名詞節:なし
【16】that
thatは名詞節・形容詞節・副詞節のすべてをとります。
名詞節:「〜ということ」
I believe that he is right.
(彼が正しいと思う)
形容詞節:名詞にかかるだけ
This is the book that I bought.
(これが私が買った本です)
副詞節(so that/so … that 構文)
She studied hard so that she could pass.
(彼女は合格するために一生懸命勉強した)
He was so tired that he fell asleep.
(彼はとても疲れていたので寝てしまった)
【17】そのほかの接続詞
上記以外の接続詞はすべて副詞節しか取れません。つまり、原則、接続詞は副詞節しか取れず、上記に挙げてきたものが例外だと考えてください。接続詞はたくさんあるので、一部の接続詞だけ挙げます。再度確認ですか、すべて副詞節しか取れません。
because:「〜なので」
I stayed home because it was raining.
(雨が降っていたので家にいた)
although / though:「〜だけれども」
Although he’s young, he’s capable.
(彼は若いけれども有能だ)
unless:「〜でない限り」
You can’t enter unless you have a pass.
(パスがないと入場できません)
whereas:「〜する一方で」
She likes coffee, whereas I prefer tea.
(彼女はコーヒーが好きだが、私は紅茶が好き)
after:「〜したあとで」
We went out after the rain stopped.
(雨が止んだあとで外出した)
before:「〜する前に」
Please call me before you leave.
(出発する前に電話してください)
while:「〜している間に」
She was reading while waiting for the train.
(電車を待っている間、彼女は本を読んでいた)

【18】おわりに
節の知識は、文法問題だけでなく、Part 5・6・7すべてに活きてきます。逆に言えば、ここを曖昧にしたままでは、TOEICスコアも英文読解力も頭打ちになります。
「どの語が、どの種類の節を導くのか」「そのとき、どういう意味になるのか」。
この感覚をしっかりと押さえて、構文を一文ずつ正確に読み取る力を養っていきましょう。
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