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【0】動画で解説
【1】前置詞byのコアイメージ
前置詞byのコアイメージは、「そば」です。
前置詞のby:『そば』
ここから、次の6つの意味に派生していきます。
①「そば」
②「期限」
③「手段/行為者」
④「経由/媒介」
⑤「基準/単位/尺度」
⑥「差」
ひとつひとつ見ていきましょう。
①「そば」
まずは、byのコアイメージの意味「そば」から見ていきましょう。
例 Please stand by the entrance.
「入り口のそばにいてください」
ちなみに、
〈stand by〉は熟語で、次の3つの意味を持ちます。
1.傍観する
2.味方する
3.待機する
もちろん、これら3つを丸暗記する必要はありません。byの「そば」という核心から考えていけば良いんです。
1.「そばに立っている」→「傍観する」
2.「心理的にそばに立つ」→「味方する」
3.「舞台のそばに立つ」→「待機する」
このように、byの「そば」という核心から考えれば、熟語の無駄な丸暗記は激減します。
②「期限」
例 Finish this work by five.
「5時までにこの仕事を終えなさい」
「期限」ちょうどに提出する人はいません。その期限の「そば」で提出しますよね。例えば、TOEICの締め切りが「5月30日12:00」だった場合に、「5月30日12:00」に提出する人はいませんよね。大抵は、そのそばの5月29日あたりに応募が集中するわけです。
③「手段/行為者」
・手段
目標・目的は遠くにあるけど、手段はいつだって「そば」にあるからです。
例 I go to school by bus.
「私はバスで学校に行きます」
学校は遠くにあるけど、手段の「バス」はそばにありますよね。
・行為者
その行為が行われた「そば」にいる人が、「行為者」と考えられるからです。
例 The window was broken by Tom.
「トムによってその窓が割られた」
窓が割れたそばにいたトムが、犯人だと考えますよね。
学校では、このbyを1番最初に教わりますよね。受動態の範囲で。
そして、多くの人が「by=〜によって」って覚えてしまいがちです。でも、核心の「そば」から派生した意味に過ぎないんです。
④「経由」
byの「そば」という核心から、「経由」の意味に派生していきます。
例 He went to Oosaka by way of Tokyo.
「彼は東京経由で大阪に行った」
「そばの大阪を通って東京に行った」わけです。
⑤「基準/単位/尺度」
「そば」にある「基準/単位」を使って測定するからです。
例 Eggs are sold by the dozen.
「卵はダース単位で売られている」
⑥「差」
また、「そば」に寄って初めて、「差」がわかるからです。
例 He is taller than I by three inches.
「彼は私より3インチ背が高い」
【2】前置詞のbyを使った熟語
①「そば」
□abide by ~を守る
□by oneself 自分で
※「そばに自分だけ」→「自分で」です。
□by the way ところで
※「本来の道(the way)のそばに外れて→「ところで」です。
□come by ~を(偶然に)手に入れる
※「そばにやってくる」→「手に入れる」です。
□drive by 車で通りかかる
□drop by 立ち寄る
※「そばに落ちる」→「立ち寄る」です。
□get by 生活していく、なんとかやっていく
□go by 時などが経つ、通り過ぎる
□pass by 大目に見る、通り過ぎる
□stand by 支援する、待機する
※「そばに立つ」→「支援する、待機する」です。
□stop by 立ち寄る
※「そばで立ち止まる」→「立ち寄る」です。
②「期限」
□by now 今頃はもう
□by the time ~するまでには
※接続詞であることに注意。
③「手段/行為者」
□by air 飛行機で
□by all means 必ず
□by bus バスで
□by car 車で
□by cash 現金で
□by check 小切手で
□by courier 宅配便で
□by effort 努力して
□by force 強制的に
□by hand 手で
□by law 法律によって
□by land 陸路で
□by mail 郵便で
□by means of ~によって
□by no means 決して~ない
□by plane 飛行機で
□by sea 海路で
□by train 電車で
□by turns 順番に
④「経由/媒介」
□by accident 偶然に、
□by any chance ひょっとして
□by chance 偶然に
□by comparison 比較して
□by experience 経験から
□by mistake 誤って
□by nature 生まれつき
□by the way of ~を通って
□by virtue of ~によって
□by way of ~ を経由して
□grab A by the B AのB(体の部分)をつかむ
□learn by heart ~を暗記する
□know by heart ~を暗記している
□know ~ by sight ~の顔は知っている
⑤「基準/単位/尺度」
□by estimate 概算で
□by far はるかに
□by the hour 時給で
⑥「差」
□by and by やがて
□by degrees 徐々に
□by the day 日給で
□day by day 日々
□little by little 少しずつ
□one by one ひとつずつ
□side by side 並んで
□step by step 一歩一歩
⑦「その他」
□by and large 全般的に
□by contrast それと反対に、逆に
□by the large 全般的には
【3】まとめ
以上、前置詞のbyをコアイメージの「そば」から色々な意味に派生していく様子を見てきました。
どうでしょうか。闇雲にひとつひとつ覚えるよりも、核心から考えた方が理解しやすいし、覚えやすいと感じるのではないでしょうか。
【まとめ】
・前置詞は核心から考える
・byのコアイメージは「そば」
・「そば」「期限」「行為者/手段」「経由/媒介」「基準/単位/尺度」「差」と派生していく
では、ここでおしまいにします。
(`・ω・´)ゞ
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