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【初心者でもわかる】代不定詞 の省略ルールと本質【by 予備校講師】

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【0】動画で解説

【1】代不定詞とは?

代不定詞:重複している部分を省略して to だけで代用すること

説明だけだと、よくわかりませんね。
例文で確認しましょう。

・例文で確認

例 You may go if you want to.

toの後ろが明らかに不自然ですよね。
実は、次のように“to go”のgoが省略されているんです。つまり、次のように。

例 You may go if you want to (go).
「行きたければ君は行ってもよい」

このように重複している部分をtoだけ残すのが代不定詞です。

さらに、例文を挙げていきましょう。

例 He doesn’t drink now, but he used to (drink).
「彼は今は酒を飲まないが、以前は飲んでいた」

例 I didn’t want to go to the party, but I had to (go to the party).
「私はそのパーティーに行きたくなかった、でも行かなければいけなかった」

・なぜ省略するのか?

英語は同じ言葉を繰り返すのを嫌うからです。

これが本質です。
そして、この繰り返される部分がto不定詞の場合は、toだけを残して以下は省略するんです。

この本質を理解すると、わかってくることがたくさんあります。

たとえば、英語の長文では、次のように同じ単語を反復して使うのを嫌います。

・result in

・bring about

・cause

上記の単語はどれも「右向きの矢印(→)」を表す因果の語句です。

result inで統一すればいいのに、長文中では色々な語句に入れ替わっていくんです。

このようなことがわかっていれば未知の英単語の推測や問題の回答への根拠として活用することができるんです。

少し話がそれてしまいましたね。

もう一度、まとめると、英語は同じ言葉を繰り返すのを嫌うので、この繰り返される部分がto不定詞の場合は、toだけを残して以下は省略する。これを代不定詞と呼びます。

【2】代不定詞の発展的な話

ここからは発展の話です。ここまででキツイって人はサラッと眺めるくらいでOKです。

結論を言うと、次の通りです。

・一般動詞 → toだけ残す

・be動詞 → to beを残す

・完了形 → to haveを残す

例文で確認していきましょう。

・一般動詞 → toだけ残す

一般動詞では今まで見てきた通り、toだけ残します。

例 You may go if you want to (go).
「行きたければ君は行ってもよい」

・be動詞 → to beを残す

be 動詞の場合は、toだけでなく、to beにします。

例 I am not rich, nor do I wish to be (rich).
「私は裕福ではないが、そうなりたいとも思わない」

・完了形 → to haveを残す

完了形の場合は、toだけでなく、to have にします。

例 I didn’t play soccer, but I ought to have (played soccer).
「私はサッカーをしなかった、でもすればよかった」

Twitterで問題を出してみたら・・・

【3】代不定詞の補足的な話

最後に補足的な話として、次の3つについて説明していきますね。

・not toパターンもあり

・間違いの問題をよく見かける話

・日本語とのギャップ

ひとつひとつ見ていきましょう。

・not toパターンもあり

否定バージョンのnot toパターンもあります。

例 Tom went to the party, though I advised him not to (go to the party) .
「トムはそのパーティーに行った、私は行かないようにアドバイスしたのだけれども … 」

・間違いの問題をよく見かける話

実は、この代不定詞、よく問題集や長文の中で間違えて使われていることが多々あります。

たとえば、次のように。

例 I cannot sleep as deeply as I used to do.

どうでしょうか。
そうです。to do のdoが不要ですよね。
すでに説明したように、一般動詞の場合は「toだけ残す」っていうルールなので。
にもかかわらず、to doになってしまっているんですよね。

・日本語とのギャップ

これはかなり本質的な話なのですが、英語の場合の省略は、代不定詞で見てわかる通り、同じ表現が繰り返される場合に省略されます。

一方で、日本語の省略はそのようなルールがなくて、「空気的にわかるよね」って感じで、なんとなくで省略されてしまうのです。

[省略が起きる場合]

・英語:同じ表現が繰り返される場合

・日本語:空気的にわかる場合

これはかなり本質的な違いです。
ここでは、ざっくりと説明しますが、英語は多くの文化を持った多民族が使ってきた言語なので、空気を読むって発想がありません。間違いがないように正確に伝える必要があります。なので、きっちりとしたルールがあるんです。

一方で、日本語の場合は日本人しか使わないので、その場の空気でわかるよね的な、発想です。なので、ルールなく適当に省略が行われるんです。

この本質的なことがわかっていると、色々と英語の厳密さに気づきやすく、そして寛容になれると思います。たぶん…。

【4】おわりに

以上、代不定詞について、かなり詳しく色々と話していきました。
英語の初心者の方は、とりあえず【1】だけ理解できていれば良いかなと思います。

代不定詞は、文法問題としては頻出の分野ではないので、軽視されがちで、あまり学校でもガッツリ教わらないと思います。でも、長文の中では頻繁に使われており、このルールを知らないと、戸惑ってしまうと思います。なので、この記事を参考にして、ぜひ、代不定詞をマスターしてください。

ここまでご精読頂きありがとうございます。普段から予備校・ブログで「丸暗記英語からの脱却」をコンセプトに指導・発信しています。新しい情報に関してはTwitterで確認ができますので、鬼塚英介(@Englishpandaa)をフォローして確認してみてください。

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