【0】動画で解説
【1】「助動詞の過去形→仮定法?」
前回、仮定法の目印は「助動詞の過去形」だと説明しました。そして、助動詞の過去形を見たら、仮定法を疑うんだってところまで説明していきました。
今回は、その具体的な話をしていきたいと思います。具体例を挙げながら、「助動詞の過去形→仮定法?」の流れを理解してくれるといいと思います。
【2】To 不定詞
では、早速、具体例です。次の英文を日本語にしてみてください。
どうでしょうか?よくある誤訳が「彼女が話すのを聞くために、あなたは彼女を外国人ととるだろう」です。意味不明な日本語ですよね。この文頭のTo 不定詞を「目的」でとってしまったわけです。そんな訳を自分は作らないと思うかもしれませんが、実際、今まで多くの学生を見てきた経験から、ほとんどの学生が意味不明な日本語を平気で書いています。これが一つ、現状の英語教育の問題なのかもしれませんが、その話は、また別でするとして、話を戻しましょう。
正しい考え方は次の通りです。
助動詞の過去形wouldに着目!
↓
もしかしたら仮定法なんじゃないか?
↓
if省略による倒置or代用表現かなぁ。
↓
To 不定詞発見!(←if節代用表現です)
↓
仮定法だ!!
↓
To 不定詞の部分をif節と考えれば…
↓
「もし彼女が話すのを聞けば、あなたは彼女を外国人ととるだろう」
このように助動詞の過去形に気づき仮定法を疑うという過程を経ることで、仮定法であることに気づけます。やはり、あらかじめ、「助動詞の過去形→仮定法を疑う」という思考回路を慣らしておかなければ、普通に見逃して誤訳してしまうわけです。
【3】A+〜+名詞
もう一つ、具体例を挙げましょう。次の英文を日本語にしてみてください。
どうでしょうか?よくある誤訳は「真の友達はあなたを助けるだろう」です。もしかしたら、読者の皆さんも同じように訳してしまったのではないでしょうか?正しい考え方は、先ほどのto不定詞と同様に次のように考えていきます。
助動詞の過去形wouldに着目!
↓
もしかしたら仮定法なんじゃないか?
↓
if省略による倒置or代用表現かなぁ。
↓
A+〜+名詞(←if節代用表現です)
↓
仮定法だ!!
↓
〈A+〜+名詞〉の部分をif節と考えれば…
↓
「もし本当の友達ならばあなたを助けるだろうに」
このように助動詞の過去形︎→仮定法って思考がいかに大切かわかってきたと思います。そして、仮定法の目印がifではないというのも、受け入れてくれたのではないでしょうか?どの英文にも、ifがないですが仮定法ですからね。さらに続けましょう。
【4】otherwise
次の英文を日本語に訳してください。
どうでしょうか?こちらは、わかりやすいotherwiseがあるので、多くの人が仮定法だと気づきます。ですが、一応、今までの流れに沿って次のように考えるのが基本です。
助動詞の過去形wouldに着目!
↓
もしかしたら仮定法なんじゃないか?
↓
if省略による倒置or代用表現かなぁ。
↓
otherwise(←if節代用表現です)
↓
仮定法だ!!
↓
otherwise「さもなければ〜」なので…
↓
「急ぎなさい!さもなければあなたは会議に遅れるよ」
今回は大丈夫でしたね。さらにさらに、まだまだ例文を出していきましょう。
【5】副詞句
どうでしょうか?よくある誤訳は「3年前に、私はその問題を解くことができた」です。このように訳してしまった人が多いかもしれません。まぁ、でも、さすがにこの流れでは気づく人も多いでしょう。しかし、これがまた別の時に急に長文の一文で出された時に気づけるでしょうか?なかなか難しいかもしれません。ですから、「助動詞過去形︎仮定法」の流れが大切なのです。では、今まで通り、次のような流れで仮定法だと気づき、訳出していきます。
助動詞の過去形couldに着目!
↓
もしかしたら仮定法なんじゃないか?
↓
if省略による倒置or代用表現かなぁ。
↓
Three years ago(←if節代用表現です)
↓
仮定法だ!!
↓
Three years ago の部分をif節と考えれば…
↓
「3年前であれば、私はその問題を解くことができただろうに」
【6】名詞句+and〜
次の英文を日本語に訳してみてください。
では、今まで同様のやり方で考えていきましょう。
助動詞の過去形wouldに着目!
↓
もしかしたら仮定法なんじゃないか?
↓
if省略による倒置or代用表現かなぁ。
↓
One more step, and(←if節代用表現です)
↓
仮定法だ!!
↓
One more step, andの部分をif節と考えれば…
↓
「もう一歩踏み出していたら、あなたは崖から落ちていただろう」
このif節代用表現は、ちょっとマニアックでは、ありますがこういうのもあるんです。いずれにせよ、助動詞の過去形→仮定法?っていう思考が大切なことがかわかると思います。
Twitterで問題を出してみたら・・・
レベル5の問題(5段階)
Five more members, ( ) we could have started this meeting.
— 鬼塚英介@(英語講師) (@Englishpandaa) October 15, 2021
【7】代用表現すらない
それでは、いよいよ最後です。
次の英文を日本語に訳してください。
どうでしょうか?今までと同様に考えていきましょう。
助動詞の過去形couldに着目!
↓
もしかしたら仮定法なんじゃないか?
↓
if省略による倒置or代用表現かなぁ。
↓
今回はif節が主節「I could eat a horse.」です。
I could eat a horse.の部分をif節と考えれば…
↓
「とてもお腹が減っているので、(食べようと思えば)馬でも食べられるくらいだ。」
以上、最後はかなりレベルの高い仮定法について見ていきました。とにかく、「助動詞過去形→仮定法?」っていう思考がいかに大切か気づいてくれれば問題ありません。最後の2つはちょっとマニアックにしても、先に挙げたif節代用表現は頻出です。もちろん、それを丸暗記するよりは、この思考をしっかりと持って、こういうのがよく出るんだなと認識するくらいで良いと思います。
☆ まとめ ☆
「助動詞過去形→仮定法?」