「TOEICのリスニング対策にはシャドーイングが効果的」
こんな話を聞いたことがある人は多いと思います。実際、僕もTOEICのリスニング学習にシャドーイングをおすすめしています。
ただし、「シャドーイングをすればリスニング力が伸びる」という単純な話ではありません。シャドーイングはかなり難易度の高い学習法で、やり方を間違えると、時間をかけているわりに効果が薄くなってしまいます。
Contents
そもそもシャドーイングとは?
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、そのすぐ後を追いかけるように発音するトレーニングです。
ポイントは「音声と同時に発音する」のではなく、「少しだけ遅れて発音する」ことです。
例えば、
音声:“I’ll send you the updated schedule.”
自分:“I’ll send you the updated schedule.”(少し遅れて)
というように、音声を聞きながら、その少し後を追いかけて発音します。
「聞く」と「話す」を同時に行うため、普通に英語を聞くだけよりも負荷が高くなります。その分、英語の音やリズムに意識を向ける必要があるので、リスニング学習として非常に効果的です。
シャドーイングはかなり難しい
ただし、シャドーイングは簡単な学習法ではありません。
初めてやると、
・全然ついていけない
・途中で置いていかれる
・何を言っているのか分からなくなる
という状態になりやすいです。それで普通です。
実は僕自身、TOEICの学習を始めた頃、公式問題集のPart 4を初めてシャドーイングしたとき、最初の1文で完全に置いていかれました。
何度聞いても口が追いつかず、「これは自分に向いていないのでは」と感じたほどです。
でも、それは当然のことです。
シャドーイングでは、英語を聞きながら、聞こえた音を保持し、それを口から出す必要があります。
だからこそ、最初から完璧にできなくても問題ありません。
目指すのは「100%シャドー」
例えば、最初は“I’ll send you the updated schedule.”の音声についていくのが難しかったとします。
そこで、「なんとなくついていけたからOK」で終わらせるのではなく、「最終的には音声をほぼ完全に再現できる状態」を目指します。
もちろん、最初から100%を求める必要はありません。
何度も練習する中で、
50% → 70% → 80% → 90% → 100%
と精度を上げていけばOKです。
ここで重要なのが「口が回らない部分」です。
英文全体を何度も繰り返すだけではなく、「ここだけどうしても言えない」という部分があれば、そこだけを徹底的に繰り返してください。
例えば10秒程度の英文の中で、3秒間だけ口が回らないのであれば、その3秒間を集中的に練習します。
言えるようになったら、再び英文全体のシャドーイングに戻る。
このように、苦手な部分をピンポイントで潰していくことが、100%シャドーできる状態につながります。
ボソボソ声でもOK
シャドーイングでは、大きな声を出す必要はありません。
ボソボソ声でも十分ですし、さらに言えば口パクでも構いません。
もちろん、実際に声を出したほうが発音や口の動きまで確認できるので効果は高いです。
ただ、「シャドーイングは家でしかできない」となると、学習時間が限られてしまいます。
ボソボソ声や口パクでもできるようにしておけば、電車の中、職場の休憩時間、外出先など、場所や時間を選ばずに取り組めます。
シャドーイングの前にやること:まず英文を理解する
シャドーイングをする前に、必ず英文を完全に理解してください。
具体的には、語彙・文法・構文です。
英文の意味が分からないまま、「とりあえず音声についていこう」とシャドーイングをしても、効果はかなり薄くなります。
知らない単語があってもそのまま音だけを追いかける。
文構造が分からなくてもとりあえず発音する。
これでは、「英語の音を追いかける作業」になってしまいます。
まず英文を読んで、
・この単語はこういう意味
・この文法が使われている
・この部分が主語で、ここが動詞
・この構文だから、この意味になる
というところまで理解します。
そのうえでシャドーイングを行いましょう。
僕が大切にしているのは、
英文を理解する → 音声を確認する → 音声変化を確認する → シャドーイングする
という順番です。
英語学習では、どうしても「とにかく何回も聞こう」「とにかくシャドーイングしよう」となりがちです。
でも、分からないものを何度繰り返しても、効率はよくありません。
丸暗記するのではなく、「なぜこの英文がこういう意味になるのか」を理解したうえで、音声に落とし込んでいく。
これが大切です。
音声変化にも注目する
もう一つ、シャドーイングで意識してほしいのが「音声変化」です。
英語は、単語帳に書いてある発音のように、一語一語がはっきり発音されるとは限りません。
例えば、
・want to →「ワナ」に近い音になる
・going to →「ガナ」に近い音になる
・what are you →「ワラユー」に近い音になる
このように、単語同士がつながったり音が変化したりすることがあります。
こうした音声変化を知らないと、「単語は知っているのに聞き取れない」という現象が起こります。
だからこそ、公式問題集の音声を使って、「この英文は、実際にはどう発音されているのか?」を確認してください。
そして、その音を自分でも再現してみる。
これがシャドーイングの大きなポイントです。
教材はTOEIC公式問題集のPart 3・4がおすすめ
僕がおすすめするのは、TOEICの公式問題集、特にPart 3・4です。
Part 3・4には、TOEIC本番で出てくる会話や説明文が収録されているため、シャドーイングをしながら「TOEICで使われる英語の音」に慣れることができます。
ただ音源を聞き流すのではなく、実際に自分の口を動かしながら、音声より少し遅れて追いかけてみてください。
シャドーイングだけをやればいいわけではない
ここまで読んで、「じゃあ、TOEICのリスニングはシャドーイングだけやればいいの?」と思うかもしれません。
答えはNOです。
シャドーイングは非常に効果的なトレーニングですが、それだけで英語力が完成するわけではありません。
特にTOEICでは、
語彙力 + 文法力 + 構文把握力 + 音声認識力
が必要です。
その中でシャドーイングは、主に「音声認識力」を鍛えるトレーニングだと考えてください。
つまり、シャドーイングを本当に効かせるには、その土台となる語彙・文法・構文の理解が欠かせません。
この土台がないままシャドーイングだけを繰り返しても、リスニング力は思うように伸びていかないのです。
まとめ
TOEICにシャドーイングは効果があるのか。
僕の答えは、
「効果は高い。ただし、正しくやることが重要」
です。
・音声と同時に発音するのではなく、少しだけ遅れて発音する
・口が回らないところがあれば、そこだけを徹底的に繰り返す
・声を出せない場所では、ボソボソ声や口パクでも構わない
・教材はTOEIC公式問題集Part 3・4がおすすめ
・ただし、その前に必ず英文を完全に理解する
語彙 → 文法 → 構文 → 音声変化 → シャドーイング → 苦手部分を反復
この順番を意識してください。
「シャドーイングを何回やったか」ではなく、「英文を理解したうえで、どこまで正確に音声を再現できるようになったか」を見ることが大切です。
丸暗記で英語を処理するのではなく、英文を理解し、その英文が実際にどのような音になるのかまで理解する。
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今回の記事では、TOEICにおけるシャドーイングについて解説しました。
ただ、シャドーイングだけでTOEICのスコアが伸びるわけではないことは、ここまで読んでいただいた方ならもうお分かりだと思います。
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