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英語

基本動詞 “call” の使い方徹底解説【句動詞の一覧も】

【0】動画でサクッと解説

【1】基本動詞 “call” の意味

「call」の核心は「大声で呼ぶ」です。この核心から、次のような意味に展開していきます。

1.(大声で)呼ぶ

2a) …と呼ぶ

2b) …と考える

3.電話をかける

4.ちょっと訪れる

では、一つ一つ詳しく見ていきましょう。

1.(大声で)呼ぶ

人や何かを自分の方に注意を引くために「呼ぶ」という意味です。

She called his name loudly.
(彼女は彼の名前を大声で呼びました)

パンダ先生
パンダ先生
核心の意味そのままだね。

2a) …と呼ぶ

ある人や物に特定の名前を「付ける」という意味で使われます。これは、「何かを呼びかける」から発展した用法です。

They called the dog Max.
(彼らはその犬をマックスと呼びました。)

パンダ先生
パンダ先生
SVOCの第5文型だね(the dogがO、Maxが C)。

2b) …と考える

物事や人に対して評価を「呼ぶ」という感覚で、「AをBと考える」という意味に発展しています。

I call this a success.
(これは成功だと私は考えます。)

「これを成功と呼ぶ」→「これは成功だと考える」って意味です。

パンダ先生
パンダ先生
これもSVOCの第5文型だね(thisがO、successがC)。

3.電話をかける

もともとは「声で呼ぶ」ことが、現代では電話で相手を「呼びかける」という意味に発展しました。

I called her last night.
(昨晩、彼女に電話をしました。)

4.ちょっと訪れる

「呼びかける」行為が、短い訪問にも転用されました。これは、訪問時に相手の注意を引く「呼びかけ」を伴うからです。

I’ll call on you later.
(後でちょっと立ち寄りますね。)

また、次のように名詞として使われることもあります。

I need to make a call.
(電話をかける必要があります。)

The bird’s call was loud.
(その鳥の鳴き声は大きかったです。)

I paid her a call yesterday.
(昨日、彼女をちょっと訪問しました。)

パンダ先生
パンダ先生
動詞の意味が名詞になっているだけだね。

【2】“call” を使った重要な句動詞

“call” は前置詞や副詞と組み合わせて句動詞を形成します。以下は覚えておきたい “call” を使った句動詞です。

1. call off

「中止する」

They called off the meeting due to bad weather.
(悪天候のため、会議は中止された。)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち: call(呼ぶ)+ off(離れて) → 呼びかけを取りやめるイメージで、計画やイベントを中止することを表すよ。

2. call up

「電話をかける」「思い出させる」

I’ll call you up later to discuss the details.
(後で電話して詳細を話し合おう。)

The song called up memories of my childhood.
(その歌は子供時代の記憶を呼び起こした。)

パンダ先生
パンダ先生

ここでの「up」は物理的な上というより、「内側 → 表面へ」「眠っていたもの → 意識へ」引き上げる動き。「電話をかける」は、その人に注意を向けさせるよう「声をかける」+「up」で相手を“意識上に引っ張る”→ 「ちょっと今、話せる?」と相手の意識を“起こす”感覚。「思い出させる」 は→頭の奥に眠っている記憶を“意識の表面へ呼び起こす”イメージ。

3. call for

「必要とする」

This situation calls for immediate action.
(この状況は即時の対応を必要とする)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち: call(呼ぶ)+ for(〜を求めて) → 誰かや何かを求めるイメージだよ。そもそも、「V+for」は「〜を求める」って意味に抽象化できるよ。例えば、long for〜「〜を切望する」のようにね。

4. call in

「呼び寄せる」「電話で報告する」

They called in a specialist to solve the problem.
(彼らは問題解決のために専門家を呼んだ。)

I called in sick today.
(今日は病欠の連絡を入れた。)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち: call(呼ぶ)+in(中に)→①「~の中に入るように呼ぶ」→「呼び寄せる」②「~中であることを電話する」→「電話で報告する」だよ。

5. call on

「頼む」「訪問する」

The teacher called on him to answer the question.
(先生は彼に質問に答えるよう求めた。)

I called on my grandmother yesterday.
(昨日、祖母を訪ねた。)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち: onの核心は「接触」です。なので「泣き叫びながらすがりつくイメージ」→「頼む」です。また、「誰かを訪ねて接触する」→「訪問する」です。

6. call back

「折り返し電話する」

I’ll call you back in a few minutes.
(数分後に折り返し電話するよ。)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち: call(呼ぶ)+ back(戻す) → かかってきた電話に再度応じる、折り返しのイメージだよ。

7. call out

「大声で呼ぶ」「指摘する」

He called out for help when he saw the fire.
(火事を見て彼は助けを大声で呼びかけた。)

She called him out on his mistakes.
(彼女は彼のミスを指摘した。)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち: call(呼ぶ)+ out(外に) → 大声で外に向けて呼びかけたり、問題点を“外に引っ張り出して”公にする」というイメージだよ。

8. call at

「立ち寄る」

The train will call at the next station in 5 minutes.
(電車は5分後に次の駅に停車します。)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち:callの「呼ぶ」→「声をかける」→「訪ねる」へと派生します。また、atの核心は「一点」→「場所の一点」です。この2つを合わせてcall at「立ち寄る」になるよ。

9. call to

「呼びかける」

She called to her friend across the street.
(彼女は通りの向こうにいる友達に呼びかけた。)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち: call(呼ぶ)+ to(~に向けて) → 遠くの誰かに声をかけるイメージ。ちなみに、toの核心は「右向きの矢印(→)」で「到達」だよ。

10. call to mind

「思い出す」

The old photograph called to mind many fond memories.
(その古い写真は多くの楽しい思い出を呼び起こした。)

パンダ先生
パンダ先生
成り立ち: call(呼ぶ)+ to(~へ)+ mind(心) → 記憶や思い出を心に呼び寄せるイメージ。

【3】おわりに

“call” という一語に、これだけ多様な表現と意味があることに驚かれたかもしれません。
ですが、ここで大切なのは、それらを一つひとつ丸暗記することではありません。

意味の広がりや成り立ちを理解することで、自然と文脈に合った解釈ができるようになります。
「なぜこの表現では“call”が使われているのか?」という視点を持ち、イメージで捉えることが、英語を使いこなす力に直結します。

英語は暗記するものではなく、理解して運用するもの。
“call” の学習を通じて、その実感を深めていただけたなら幸いです。

ここまで読んで頂きありがとうございます。普段から予備校・ブログで「丸暗記英語からの脱却」をコンセプトに指導・発信しています。新しい情報に関してはTwitterで確認ができますので、鬼塚英介(@Englishpandaa)をフォローして確認してみてください。

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