【1】基本の意味「来る」

1. 移動して「到着する」
「come」は話し手の位置や目的地に向かって移動することを表します。
He will come to the party tonight.
(彼は今夜パーティーに来るでしょう。)
Come here, please.
(こちらに来てください。)
2. (ある状態に)至る
「come」は、物事や状態が変化して、ある結果や状況に到達することを表す際に使われます。
She came to understand the problem.
(彼女はその問題を理解するに至った。)
Everything comes to an end.
(すべての物事には終わりがある。)
3. 思い浮かぶ・連想する
「come」は、何かが突然頭に浮かんだり、連想されたりすることを示す場合にも使われます。
An idea came to me.
(アイデアが浮かんだ。)
The name comes to mind.
(その名前が思い浮かぶ。)
4. come + 動詞のing形(進行形)で近づいている出来事を表す
この形で、何かが近い将来に起こることを表現することができます。
The holiday season is coming soon.
(休暇シーズンがもうすぐ来る。)
【2】 “come” と “go” の違い

“come” とよく比較されるのが “go” です。“come” は話し手や聞き手の位置に向かう動き、一方 “go” は話し手や聞き手から離れる動きを表します。
He is coming to the office.
(彼はオフィスに向かって来ています)
He is going to the office.
(彼はオフィスに行っています)
どちらも目的地は「オフィス」ですが、“coming” の場合、話し手や聞き手がオフィスにいる状況が想定されます。
【3】 “come” を使った重要な句動詞

“come” は前置詞や副詞と組み合わせることでさまざまな意味を持つ句動詞を形成します。以下は、覚えておきたい重要な “come” を使った句動詞です。
1. come across
「偶然出会う、見つける」
I came across an old friend at the mall.
(ショッピングモールで偶然昔の友人に出会った。)
成り立ち:「come(来る)」+「across(横切って)」で、何かを横切る過程で偶然見つけることを示す。
2. come up with
「(アイデアなどを)思いつく」
She came up with a great idea for the project.
(彼女はプロジェクトの素晴らしいアイデアを思いついた。)
成り立ち:「come(来る)」+「up with(〜と一緒に上がる)」で、頭に浮かんだものを持ち出す、というイメージ。
3. come out
「出る、発表される」
The new album will come out next week.
(新しいアルバムは来週発売されます。)
成り立ち:「come(来る)」+「out(外へ)」で、何かが内部から外部へ出てくることを表す。
4. come along
「一緒に行く、ついてくる」
Would you like to come along with us?
(私たちと一緒に来ませんか?)
成り立ち:「come(来る)」+「along(沿って)」で、道筋に沿って一緒に移動することを示す。
5. come down with
「(病気に)かかる」
He came down with a cold last week.
(彼は先週風邪をひいた。)
成り立ち:「come(来る)」+「down with(〜と共に下がる)」で、健康が悪化して病気にかかる状態を表す。
6. come around
「意識を取り戻す」
She finally came around after fainting.
(彼女は失神した後、やっと意識を取り戻しました。)
成り立ち:「come(来る)」+「around(回る)」で、意識や状態が元に戻ることを意味する。
7. come about
「起こる、生じる」
How did the accident come about ?
(その事故はどうやって起こったのですか?)
成り立ち:「come(来る)」+「about(周囲に)」で、物事が周囲で起こることを示す。
8. come by
「手に入れる、立ち寄る」
Good jobs are hard to come by these days.
(最近、良い仕事を見つけるのは難しい。)
Can you come by my office later ?
(後で私のオフィスに立ち寄ってくれますか?)
成り立ち:「come(来る)」+「by(そばを通って)」で、何かを手に入れたり、ついでに訪れることを示す。
9. come apart
「バラバラになる、崩れる」
The toy came apart in my hands.
(そのおもちゃは私の手の中でバラバラになった。)
成り立ち:「come(来る)」+「apart(離れて)」で、物が結合から解けて離れることを表す。
10. come through
「成功する」
He came through in the end and saved the day.
(彼は最後に成功して、事態を救った。)
成り立ち:「come(来る)」+「through(通り抜けて)」で、困難を通り抜けて結果を出すことを示す。
11. come off
「うまくいく、外れる」
The plan didn’t come off as expected.
(その計画は予想通りにはうまくいかなかった。)
The button came off my shirt.
(シャツのボタンが外れた。)
成り立ち:「come(来る)」+「off(離れる)」で、計画が成功したり、物が外れることを表す。
12. come along with
「(誰かと)一緒に来る、同行する」
You can come along with me if you like.
(もしよければ、一緒に来てもいいですよ。)
成り立ち:「come(来る)」+「along with(〜と一緒に)」で、誰かに同行して共に移動することを示す。
【4】その他の重要表現

“come” は句動詞以外でも、多くの重要なイディオムや慣用表現に使われています。
1. come true
「(夢や願いが)実現する」
My dream finally came true.
(私の夢がついに実現した。)
「come(到達する)」+「true(本当の)」で「実現する」という意味。
2. come to an end
「終わる」
The meeting came to an end after three hours.
(会議は3時間後に終了しました。)
「come(到達する)」+「to an end(終わりに)」で「終わる」という意味。
3. come in handy
「役に立つ」
This tool will come in handy when you fix the car.
(この道具は車を修理するときに役に立つでしょう。)
「come(到達する)」+「in handy(便利な状態)」で「役に立つ」という意味。
【5】おわりに
“come” という一語に、これだけ多様な表現と意味があることに驚かれたかもしれません。
ですが、ここで大切なのは、それらを一つひとつ丸暗記することではありません。
意味の広がりや成り立ちを理解することで、自然と文脈に合った解釈ができるようになります。
「なぜこの表現では“come”が使われているのか?」という視点を持ち、イメージで捉えることが、英語を使いこなす力に直結します。
英語は暗記するものではなく、理解して運用するもの。
“come” の学習を通じて、その実感を深めていただけたなら幸いです。
ここまで読んで頂きありがとうございます。普段から予備校・ブログで「丸暗記英語からの脱却」をコンセプトに指導・発信しています。新しい情報に関してはTwitterで確認ができますので、鬼塚英介(@Englishpandaa)をフォローして確認してみてください。
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