英語を勉強していると、前置詞で悩むことはありませんか?
「in=~の中」
「on=~の上」
「by=~によって」
「for=~のために」
このように、前置詞の意味を一つひとつ丸暗記している人は多いと思います。
しかし、前置詞はバラバラに丸暗記する必要はありません。
それぞれの前置詞には「コアイメージ」があります。
そして、さまざまな意味は、そのコアイメージから派生しています。
Contents
前置詞は「コアイメージ」から考える
まず、今回扱う前置詞のコアイメージを一覧にすると、次のようになります。
| 前置詞 | コアイメージ |
|---|---|
| at | 一点 |
| in | ワクの中 |
| on | 接触 |
| with | ともに |
| to | 到達 |
| from | 起点からの分離 |
| by | そば |
| for | 意識の向く先 |
| of | 分離 |
この9個を押さえておくだけでも、前置詞の見え方はかなり変わります。
① at=「一点」
atのコアイメージは「一点」です。
「場所」「時間」「目盛り」「狙い」などを、ピンポイントの一点として捉えます。
場所の一点
I arrived at Tokyo.
「私は東京に到着した」
東京という場所を「地図上の一点」として捉えています。
一方、
I live in Tokyo.
なら、東京という「ワクの中」に住んでいるのでinです。
時の一点
The train starts at 5:00.
「その列車は5時に発車する」
5時という一点を示しています。
狙いの一点
Look at the house.
「その家を見て」
視線を「家」という一点に向けています。
そのため、
at=一点 → 場所・時・目盛り・狙い・状態・感情の原因
というように広がっていきます。
TOEIC頻出熟語
- arrive at ~:~に到着する
- be good at ~:~が得意である
- at the same time:同時に
- at first:最初は
- at last:ついに
- at present:現在は
- at least:少なくとも
- aim at ~:~を目指す
- laugh at ~:~を笑う
② in=「ワクの中」
inのコアイメージは「ワクの中」です。
何かの中にすっぽり入っているイメージです。
I live in Tokyo.
「私は東京に住んでいる」
東京という「ワク」の中にいるわけです。
ここから、物理的な場所だけでなく、状態・形式・時間・範囲などにも広がります。
状態
He is in good health.
「彼は健康だ」
「健康」という状態のワクの中にいる、と考えます。
形式
wait in a line
「一列になって待つ」
「一列」という形式の中で待っているイメージです。
範囲
inferior to him in intelligence
「知性では彼に劣っている」
「知性」というワクの中に限定して比較しています。
TOEIC頻出熟語
-
in fact:実際に
-
in advance:前もって
-
in charge of ~:~を担当して
-
in addition to ~:~に加えて
-
in terms of ~:~の観点では
-
in need of ~:~を必要として
-
in response to ~:~に応じて
-
in accordance with ~:~に従って
③ on=「接触」
onのコアイメージは「接触」です。
「上」と丸暗記してはいけません。
上でも横でも下でも、何かに「くっついていれば」onです。
The cat is on the desk.
「猫が机の上にいる」
猫と机が接触しています。
活動中
「接触」から「活動中」にも派生します。
I’m on duty.
「私は仕事中です」
仕事という状態に接触しているイメージです。
テーマ
「意識が接触する」ことで、「~について」という意味にもなります。
He spoke on lions.
「彼はライオンについて話した」
onはテーマにかなり深く踏み込んでいるイメージです。
さらに、
接触 → 依存 → 影響
という派生もあります。
depend on ~
「~に依存する」
have an influence on ~
「~に影響を与える」
TOEIC頻出熟語
-
depend on ~:~に依存する
-
focus on ~:~に集中する
-
based on ~:~に基づいて
-
on duty:勤務中
-
on sale:販売中
-
put on ~:~を身につける
-
try on ~:~を試着する
④ with=「ともに」
withのコアイメージは「ともに」です。
I live with my parents.
「私は両親と住んでいます」
「ともに」というイメージから、さまざまな意味が生まれます。
道具
「ともに持っているもの」から「道具」へ。
cut meat with a knife
「ナイフで肉を切る」
関連
ともにいることで「関連」が生まれます。
He has a problem with money.
「彼はお金のことで問題を抱えている」
対象
He is strict with his children.
「彼は子どもたちに対して厳格だ」
さらに、原因・付帯状況にも広がります。
TOEIC頻出熟語
-
agree with ~:~に同意する
-
argue with ~:~と口論する
-
compete with ~:~と競争する
-
come up with ~:~を思いつく
-
deal with ~:~に対処する
-
be faced with ~:~に直面する
-
be satisfied with ~:~に満足している
⑤ to=「到達」
toのコアイメージは「到達」です。
ある方向へ向かっていき、そこに到達する矢印をイメージしてください。
get to the station
「駅に到着する」
ここから、
到達 → 結果 → 対象 → 適合 → 比率・対比 → 限度・範囲
と派生していきます。
対象
speak to a stranger
「見知らぬ人に話しかける」
「話す」という行為が、相手に向かって到達するイメージです。
適合
dance to the music
「音楽に合わせて踊る」
音楽に動きを合わせる、つまり「音楽に到達させる」イメージです。
TOEIC頻出熟語
-
get to ~:~に到着する
-
lead to ~:~につながる
-
contribute to ~:~に貢献する
-
be related to ~:~に関連している
-
be committed to ~:~に尽力している
-
according to ~:~によると
-
due to ~:~が原因で
⑥ from=「起点からの分離」
fromの核心は「起点からの分離」です。
go from Tokyo to Osaka
「東京から大阪に行く」
東京が「起点」です。
そこから離れて大阪へ向かいます。
出身
I am from Nagoya.
「名古屋出身です」
名古屋という起点から離れて、現在ここにいるイメージです。
原因
suffer from headache
「頭痛に苦しむ」
頭痛を起点として、苦しむという状態が生じています。
回避・妨害
The heavy rain prevented me from going out.
「大雨のせいで外出できなかった」
大雨によって「me」と「going out」が分離されている、と考えられます。
TOEIC頻出熟語
-
come from ~:~から来る
-
suffer from ~:~に苦しむ
-
prevent A from ~ing:Aが~するのを妨げる
-
protect A from ~:Aを~から守る
-
differ from ~:~と異なる
-
be different from ~:~と異なる
-
judging from ~:~から判断すると
-
be made from ~:~から作られる
⑦ by=「そば」
byのコアイメージは「そば」です。
Please stand by the entrance.
「入り口のそばにいてください」
ここから「期限」「手段」「行為者」「経由」「基準」「差」などへ派生します。
期限
Finish this work by five.
「5時までにこの仕事を終えなさい」
5時という期限の「そば」までに終わらせるイメージです。
手段
I go to school by bus.
「私はバスで学校に行きます」
学校へ行くための手段であるバスが「そば」にあるイメージです。
行為者
The window was broken by Tom.
「トムによってその窓が割られた」
窓が割れた「そば」にいたTomが行為者です。
つまり、受動態の
by=~によって
も、「そば」というコアイメージから考えられます。
TOEIC頻出熟語
-
by oneself:自分で
-
by the way:ところで
-
by now:今頃はもう
-
by the time ~:~するまでには
-
by bus:バスで
-
by hand:手で
-
by means of ~:~によって
-
by way of ~:~経由で
⑧ for=「意識の向く先」
forのコアイメージは「意識の向く先」です。
「前方に向かう方向」から、「意識の向く先」というイメージになっています。
方向
She left for New York.
「彼女はニューヨークへ出発した」
ここで重要なのは、forは必ずしも到達を表さないことです。
ニューヨークに向けて出発したことはわかりますが、到着したかどうかまではわかりません。
目的
He is saving money for a car.
「彼は車を買うために貯金している」
意識の向く先が「車」なので、目的の意味になります。
賛成
Are you for or against the plan?
「計画に賛成ですか、それとも反対ですか」
意識がその意見の方向に向いているので「賛成」です。
さらに、
方向 → 期間 → 目的 → 賛成 → 利益 → 理由 → 準備 → 交換 → 代理・代表 → 基準との不適合
へと広がります。
TOEIC頻出熟語
-
leave for ~:~へ出発する
-
head for ~:~へ向かう
-
look for ~:~を探す
-
be responsible for ~:~に責任がある
-
be prepared for ~:~の準備ができている
-
be ready for ~:~の準備ができている
-
thank A for B:BのことでAに感謝する
-
provide for ~:~に備える
⑨ of=「分離」
ofのコアイメージは「分離」です。
「of=~の」と丸暗記している人も多いですが、これがofの核心ではありません。
部分
全体から「分離」したものが部分です。
a large number of people
「多くの人々」
構成
分離されたものは、全体を構成する要素にもなります。
This team consists of five members.
「このチームは5人のメンバーで構成されている」
起源・原因
分離されたものを「起源」と捉えることもできます。
be of Chinese origin
「中国発祥の」
of+抽象名詞
of+抽象名詞で形容詞のような働きをすることもあります。
a man of courage
= a courageous man
「勇敢な人」
This book is of great use.
= This book is very useful.
「この本はとても役に立つ」
TOEIC頻出熟語
-
be independent of ~:~から独立している
-
deprive A of B:AからBを奪う
-
rob A of B:AからBを奪う
-
rid A of B:AからBを取り除く
-
be free of ~:~がない
-
consist of ~:~から成る
-
a number of ~:多数の~
-
be aware of ~:~を認識している
9個の前置詞を一気に整理
最後に、もう一度コアイメージだけ確認しておきましょう。
| 前置詞 | コアイメージ | そこからのイメージ |
|---|---|---|
| at | 一点 | 場所・時・狙い・目盛り |
| in | ワクの中 | 場所・状態・形式・時・範囲 |
| on | 接触 | 活動中・テーマ・依存・影響 |
| with | ともに | 道具・関連・対象・原因 |
| to | 到達 | 方向・結果・対象・適合 |
| from | 起点からの分離 | 出身・原因・区別・回避 |
| by | そば | 期限・手段・行為者・経由 |
| for | 意識の向く先 | 方向・目的・利益・理由 |
| of | 分離 | 部分・構成・関連・起源 |
前置詞は丸暗記しなくていい
前置詞が苦手な人が多いのは、当然です。
なぜなら、
「in=~の中」
「in=~に」
「in=~の間」
「in=~後に」
というように、意味をバラバラに覚えようとしてしまうからです。
でも、前置詞にはコアイメージがあります。
例えば、
in=ワクの中
と理解しておけば、
「東京というワクの中に住む」
→ I live in Tokyo.
「健康という状態のワクの中」
→ be in good health
「一列という形式のワクの中」
→ wait in a line
と、意味がつながって見えてきます。
同じように、
at=一点
on=接触
with=ともに
to=到達
from=起点からの分離
by=そば
for=意識の向く先
of=分離
と考えれば、英熟語も単なる「暗記物」ではなくなります。
前置詞は、意味を一つずつ覚えるのではなく、
コアイメージ → 派生する意味 → 英熟語
という順番で理解していきましょう。
これが、前置詞を「丸暗記英語」から脱却して攻略するための基本です。


